石井十次資料館で受付けます。電話0983-32-4612、FAX0983-32-4612です。
石井十次資料館は、石井記念友愛社の敷地の中にある施設で、石井十次の生涯とその足跡・記録等を保存・展示してある施設で昭和54年に開館。
十次は、慶応元(1865)宮崎県児湯郡上江村(現在の高鍋町)生まれ。15歳で海軍士官を志しますが、病気にかかり帰郷。16歳で結婚し上江小学校の教師となりました。半年後、警察署の書記になったものの難病を患い、診察を受けた医師に勧められて岡山の医学学校へ入学。診療所で実習している時、四国巡礼途上の母と子に出会い、その子供を預かったことをきっかけとして、児童救済事業に入っていきます。その事業は、収容児童が一時期1,200人に達するなど、わが国で最初の本格的な孤児院でした。
その後、茶臼原に分院を設置し、開拓事業を開始するとともに岡山から児童たちを移住させました。
資料館には、48歳で亡くなるまで社会福祉事業に身を捧げた十次関連の資料がぎっしりと詰まっており、来館者に感銘を与えています。
開館時間 午前9時30分から午後4時30分
休館日 原則として月曜日(祝祭日の場合は翌日) 事前にご連絡があれば対応します
入館料 大人 500円 小・中・高生 300円 団体(20人以上)は100円引き
登録有形文化財
静養館と方舟館が登録有形文化財に登録されました。
方舟館
明治末期、岡山から移築。大正末期に三階部分を増築。星島二郎の募金活動で造られた「アンジェラスの鐘」が吊るされており、鐘桜である。地域の人たちに朝夕の時を知らせていました。
現在、石井記念友愛社後援会「石井十次の会」の事務局、石井十次記念館の事務所として使われています。月に2回はボランティアの人々が、この館に集まり、「友愛通信」等の印刷、発送作業を行っています。
静養館(岡山ではペレ―館、西洋館と言った)
1879年(明治12年)建築。1913年(大正2年)岡山から移築。米国の宣教師宿舎として岡山に建てられた。同志社の手を経て岡山孤児院に移り、園舎等に使われた。日本で最古の木造西洋建築と言われる長崎の「グラバー邸」は1863年建立であるが、この「静養館」も時代的にはそう差はないと言えます。日向移住に伴って他の建物と共に解体、移送してこの地に建てられました。石井十次の最後の住まいとなった。この館は、当時の多くの子供と職員の汗と涙が滲み込んだ愛の館と言えます。
現在、石井記念友愛園の子ども達がこの館で論語の素読等を行っています。
当時の台所、フロ場、井戸等が復元されており、友愛園の子ども達、保育園の子ども達が「かまど」でのご飯たき体験等を行なっています。 一般の方でも御利用できます。ご連絡ください。
大原館
石井十次亡き後、心友 大原孫三郎は、石井十次墓地の隣に別荘を建てました。二人の友情は、死をも超えたと言えるでしょう。
戦後この地に移築。平成7年(1995年)、孫三郎の孫の大原謙一郎氏の支援により改修しました。現在は、石井記念友愛社のゲストハウスとして活用しています。夏には、石井十次研究者が全国から来たり、資料調査や研究を行なうための宿泊施設として活用されています。
メールは石井記念友愛社までお願いします。yuuaisya@kijo.jp
十次茶 1,000円(税込)
石井十次と当時の職員・子ども達が開拓した大地で育ったお茶です。
無農薬に近く愛情豊かに育てられていますので、芳醇な味わいで
大好評です。
「福祉の味がする!」とも。御中元や御歳暮で送られる方も多くおられます。
おみやげにも手頃です。
全国どこにでも発送致します(送料自己負担)。
紙芝居 石井十次青春物語
原案:石井記念友愛社価格:2,500円 全22枚です
「児童福祉の父」と評される石井十次ですが、その少年時代は失敗と挫折の繰り返しでした。しかし、くじけず、勇気とあきらめない心と強い意志で自律自立をめざし、人の役に立とうとする志の高い生き方を貫いたのです。
児嶋理事長は、「人生は挫折を前提として考えねばならない。挫折から立ち直るには、親(それに代る人)の愛情、志教育、出会いが必要だ。」と語ります。子ども達の心の教育の教材として最適です。
石井十次の青春時代を描いた紙芝居です。
制作:現代ぷろだくしょん
監督:山田火砂子
出演:松平健/永作博美/辰巳琢郎/竹下景子/大和田伸也/ケーシー高峰/石濱朗/星奈優里/牟田悌三/丹阿弥谷津子
原作:横田賢一「岡山孤児院物語」(山陽新聞社刊)
プロデューサー:井上真紀子
脚本:青木邦夫/松井稔/山田火砂子
撮影:長田勇市
美術:木村威夫
音楽:石川鷹彦
DVD 3,000円 (県内のみの販売です)
日系ブラジル人の西山洋子は、祖父から手渡された石井十次の写真を持って、自分のルーツを探るため、その生まれ育った日本・宮崎へと向かう・・・。そこで洋子は、「岡山孤児院」を作り、三千人もの孤児を救い教育した石井十次という男の存在を知る・・。この映画は、福祉ということばさえない明治時代に「愛の炎」となって児童救済・教育に生涯を支えた石井十次の物語です。
2004年に現代ぷろだくしょん/山田火砂子監督松平健主演によって制作されたこの映画は、全国を巡回し大きな感動と反響を呼びました。
このDVDはその普及版です。
パンフレット 500円
日本の近代史は、この大きな人物の名を書きとめておくのを忘れた。
山田火砂子脚本・監督の映画「石井のおとうさんありがとう」は松平健の演じる石井十次、永作博美の演じるその妻、品子を中心にして、近代日本の福祉活動の原点とも言える史実を描いている。そこで何より嬉しいのは、その施設が、経営の困難や無理解な人々の苦情などの苦労はありながらも、基本的にはとても素直ないい子たちと、十次だけでない善意の有志の人々の心の絆によって成り立っていたと知ることである。(映画評論家・佐藤忠雄)
このパンフレットには映画制作に関わった多くの人たちのメッセージが載せられています。
山陽新聞社2002年8月初版発行
1,200円(税別)
社会福祉という言葉もなかった時代、愛と情熱で3,000人もの孤児を救った男がいた。「岡山孤児院」の創設者であり、明治・大正期の日本社会事業史に大きな足跡を残し、「児童福祉の父」とも呼ばれる石井十次。
その生きざまを描く。「人間が人間らしくある事の意味」、それを考えるための絶好の一書。(表紙帯の文より)
*本書は、2001年11月から2002年3月まで山陽新聞朝刊に連載された企画「岡山孤児院物語」に加筆され、まとめられたものです。執筆は、同新聞編集委員室の横田賢一氏。写真は同・長瀬正巳氏。横田氏は、著作の冒頭で、石井十次の生誕と岡山での福祉事業の開始について「およそ百年前のことである」と書いています。
そして、「書きながら実感には乏しかった」という時の流れの中で、一時は1,200人もの収容児を抱えて日本一の規模となり、全国にその名をとどろかせた岡山孤児院も石井十次も、ほとんど忘れ去られ、岡山でさえ「知る人ぞ知る」という歴史の彼方に追いやられてしまったことに危機感を抱きます。そして地元紙・山陽新聞の使命として、十次の岡山での活動から宮崎・茶臼原へと至る過程を、丹念に資料を検証し、足跡をたどって、日本の福祉史を語る上で欠くことのできない、偉大な生涯と事業を掘り起こしたのです。
この本は、岡山での石井十次と大原孫三郎の友情、その後に継続される石井記念友愛社の事業などを顕彰する貴重な一書となっています。
以下はこの本の発刊に寄せた石井記念友愛社理事長・児嶋草次郎の言葉です。
「発刊に寄せて」
「毎月頼むものも頼むもの 応ずるものも応ずるもの・・・之れ物質以上の交でしょふ」(石井十次日誌 明治四十一年八月三十一日)石井十次と大原孫三郎の関係に触れた一文ですが、他の場所では、「君と僕とは炭素と水素あえばいつでも焔(ほのう)となる」(同四十四年十月一日)とも二人の友情関係を表現しています。
言うなれば乞食の親分と大実業家の親分との間に、なぜ焔といえるような友情関係が育っていったのか。学歴、モノ、金信仰の今の時代に生きる我々にとっては、謎と言える人間関係でしょう。
しかし、我が日本も戦後五十数年が経ち、大きく破綻し始めています。それらの信仰によって積み上げられていった巨大機構がガタピシと音をたてています。このまま崩壊していくのか、それとも輝かしい我が日本の本来の姿をとりもどすことができるのか。老いも若きも、金持ちも貧乏人も、そして政治家・役人も我々庶民階級の人間たちも、今立ち止まって、人間の生き方について半生してみる時なのでしょう。その時参考になるのが、先人たちの後ろ姿であります。
この度、山陽新聞に連載された「岡山孤児院物語―石井十次の足跡」が、単行本として上梓されることをうれしく思い、また山陽新聞社および著者横田賢一氏に感謝しております。
横田氏は、最新の研究者たちの石井十次研究成果を細かく読み解き、岡山だけでなく宮崎や大阪など、その足跡を丁寧にたどりながら、ジャーナリストの冷静な目で、その歴史を簡潔にまとめあげて下さいました。我々福祉現場の人間たちが見落としがちな、その時代背景や状況もしっかり描いて下さっているところ、さすがだと思います。
おそらく、霧の中の石井十次が、くっきりと浮かび上がって来たと感じられた読者も多くいることでしょう。横田氏も念じておられるように、「人間が人間らしくあることの意味」、それを考えるための絶好の書が与えられたと感じております。
抽象的な言葉の遊びから人生を考えるのではなく、我々先人たちの心と心の交流をなぞることで、人間が人間らしく生きていく知恵を、もう一度学びなおすべき時が来ているように感じます。
金や物や地位や名誉や脅しやすかしではなく、互いの至誠こそが、心と心の和・輪を形作っていくのだということを再確認したいと思います。
その他、下記のものを取り扱っています。お気軽にお問い合わせ下さい。
メールは yuuaisya-jyuujinokai@kijo.jp か 石井記念友愛社本部事務局yuuaisya@kijo.jp へどうぞ。